主に1月14日夕方から15日朝を中心に伊豆神社(下伊那郡阿南町新野)で開催される豊作予祝(よしゅく)のオコナイの祭である。雪を豊年の予兆とみて大切に扱うところからその名がある。じつはこの祭りは1月1日に始まり、10日(現在は12日)~16日にかけておこなわれる。
14日の夕刻近く、初春の太陽から採った「神の火」の提灯を先頭にした行列が諏訪社を出発し、伊豆神社へと向かう。神楽殿と拝殿での舞に続いて神事があり、午後一時頃、庭の大松明に神の火が点火されると、この灯りに導かれて、歳神(としがみ)をかたどった幸法(サイホウ)とよぶ面が登場して三三九度に舞い、その合間にドンド焼きの餅あぶりや火バツ献上、子授けの呪法などをおこなう。ついでモドキ、競馬(きょうまん)、お牛、翁、神婆(かんば)、天狗、鎮めと獅子などの神々の面がつぎつぎと現れ、それを周囲の村人がはやしたてる。まさに神と人との饗宴というにふさわしい光景がくり広げられる。