早稲田人形は、三人遣いの人形浄瑠璃である。開始時期は定かでないが、文政年間(1818~29)には活発な活動をおこなっていた。その特徴は神事色の強い三番叟にあり、夏祭では拝殿での神事の際に、白ずくめの裃袴姿の3人によって神前に向かって奉納され、神慮を慰めるため木偶を遣ったという古い形が伝わっている。続いて舞台に移って三番叟と芝居二幕が上演されるが、「本六方(ほんろっぽ)」「弓張り」「樋口」などとよばれる昔ながらの独自の型が伝承されている。
もう一つ注目できるのは、1月(もとは1月15日)の人形仕立ての神送りである。三番叟が行列を先導し、人形2体が神輿を担ぎ、ヤッコグサの毛槍を掲げた人形数体が続く。こうして村内の災厄を村境まで送り出すのであり、ここにも人形を神聖視した伝統が生きている。
人形のかしらは44頭を有する。
- ヨミガナ: ワセダニンギョウ
- 指定年: 1963・2 指定
- 員数:
- 制作年代:
- 所在地: 下伊那郡阿南町西条早稲田
- 所有者: 早稲田人形保存会
- データ番号: セ-03
- Category: 県選択無形民俗文化財
- Tags: 【セ】, 人形